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0円店舗再生 第14回~尊敬すべき事業者たち 和菓子店、洋菓子店では、お客さんのスペースを確保する

更新日:2024年12月16日

14-1事例: 柳屋奉善

 

柳屋奉善(三重県松阪市中町 代表 岡一世さん)は、1575年に創業し450年続く老舗の和菓子店。人気の和菓子「老伴(おいのとも)」をはじめとする商品の数々で、松阪市

では有名な店舗である。


老舗ならでは悩みもある。代々贈答やお祝い事、仏事等にと事あるごとに地元客から重宝がられていたものの、核家族や贈答習慣等の時代変化が進んでいる。


そのため洋菓子への品揃え拡大や、贈答から日常へ市場を拡大にするために、チャレンジに取り組んできた。松阪市が同店へとつないでくれた。


経営者の世代交代と顧客の新陳代謝、それに合わせて店舗を転換する必要性を痛感されていた。今の世代の購買行動に合わせた店づくりが必要だった。


我々がいつも考えることは回遊性。そして対面販売の店であればこそ必要なのがスペース。入店してもスペースがない店舗では客単価は上がらない。今の成熟した客の購買意識としては、窮屈な買い物はできる限り避けたい。同店の設備の大半は大型の冷蔵ショーケース。これを動かし客動線とスペースを創造するには重量物の移動が必要となる。多くの人手と労力が必要となる。この重作業にも社長の岡さんは人手を集めて取り組んでいただいた。

無理して重量のある冷蔵ケースを動かしたくない気持ちがあっても当然なのだが、我々を信頼していただき、普段は製造にかかわる従業員さんも皆さんが出勤していただき、一日で作業を終えた。


改装によって店内にお客さんのためのスペースが生まれた。このスペースはお客さんの購買意欲を高めるためのいわば退避空間。狭く選びにくいスペースでさあ買うか買わないかと迫られる店舗になるほど、購買しても満足が得られず次第に足が遠のく店舗になっていく。


どうしようか買おうかなとお客さんが購買意欲を高めながら悩める時間を生み出すスペースが必要である。対面販売こそ重要となるスペース。顧客視点で考えてほしい。

写真上は、お客さんのためのスペースを確保し、さらに購買意欲を高めるコーナーづくりの途中

 


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改装時の様子(広げたスペースで回遊と退避ゾーンを設営中)

 


改装後の売場

 


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