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0円店舗再生 第20回~尊敬すべき事業者たち 商店街は自律的に活性化する

更新日:2024年12月16日

4-2事例: 鹿角花輪大町商店街

 

(写真は、秋田県鹿角市の紹介より)

秋田県の鹿角市(人口約27000人)の中心にある鹿角花輪商店街(秋田県鹿角市花輪)。

この商店街へは鹿角市産業部(産業部部長 花海義人さんと産業活力課の班長成田靖浩さんほか)のお力添えによって、商店街の各店舗へ訪問して改善提案を行った。

 

秋田県は日本一の人口減少率であるが、青森県との県境にある鹿角市はその中でも特に人口減少が進んでいる。


地域活性化まったなしである。奄美市なぜまち商店街の経験から10店舗改装できれば地域は蘇ると信じて、鹿角市役所と協力体制を構築した。


鹿角市役所の危機感は高かった。活性化のためには事業者の気持ちを動かさなくてはならず、そこに奔走し続けていた。実際に市役所職員が我々や事業者と一緒になって日曜日にも店舗改装を行うなど、地域を何とかしなくてはという強い信念が感じられた。

 

光栄堂(代表 山崎泰史さん)、宝石の山久(代表 山崎祐一さん)、石木田文具店(代表 石木田利幸さん)、ワイナリーこのはな(代表 三ケ田一彌さん)など多くの商店が名乗りを上げて、実際の改装を行った。その一方で店舗の環境変化を受け入れたくない固い意志をもった店舗もあり、商店街活性化に向けた提案交渉は必ずしもスムーズではなかった。


奄美のなぜまち商店街では約5年かかったため、地道にコツコツと進める必要があったが、残念ながら3年で秋田県を引き上げることになった。

 

商店街は地元の人のためにあるのではない。固定客を除いてすでに地元の人は、商店街を利用しない。その最大の理由は、店舗に魅力がないから。魅力が高まったら遠方からでも来てくれる。

地域内で人口減少が進む地域は、交流人口が増えないと、どんどん衰退してしまう。

 

商圏が狭くなると、近隣からの集客と密度やシェアは上がるが、地域内の人口減少が進むと、売上が低迷し続けることになる。

商圏を広くすると広域から集客できる。ただし小商圏で商売をされてきた店舗は、自分のお店がなぜ遠くから来てくれる店になれるのか?はわからない。珍しい商品があるわけでもない、特に安いわけではない。

 

域外から客を呼べる店舗へとグレードを上げる必要がある。いま店舗のあるべき姿は、商品を販売するだけの機能ではない。ユニークな店主、特徴ある売り方など、店舗の個性を上げるアイデアはたくさんある。


しかし、その改革は地域で長年顧客に向けて商売を行ってきた事業者にとっては、未知の領域でもある。

鹿角市役所とは、コロナ後の商店街の活性化補助金を活用して、商店街の店舗をもう一度顧客から評価してもらうためのイベントを模索し続けてきた。

 

残念ながら、この補助金は廃止され、イベントが実現することはなかった。

 

鹿角市にとって、イベントは諦めても商店街を諦めるわけにはいかない。


地域で改革を進めるには熱意と根気が必要である。

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