7-2事例 :石木田文具店
石木田文具店(秋田県鹿角市花輪 代表 石木田利幸さん)は、鹿角花商店街の中心にある老舗の文具店。
下の図面はビフォア
図面下が入口、左右に二か所ある。奥は倉庫への出入り口になっている。このあたりではこうした奥に長い店舗が多い地域でもあった。
下は正面入口のビフォア
文具店は時代に合わせて、品揃えが増えていくため、売場の拡大が余儀なくされてきた。
同店は入口すぐにレジがあり、品揃え拡大によって、正面入り口が窮屈になっていた。
下の図面がアフター
改装は、入口にあったレジを奥へ移動し倉庫と直結した。また三列あった什器を二列にした。什器の配列はジグザグとさせることで、文具店の探し見つける楽しさを生み出すことができた。
展示する商品量には圧縮が必要であり、これには時間がかかったが、売場全体を活用できたことで、正面入口はかなりすっきりとした。
下は正面入口のアフター
レジを奥へ配置し直したことで、入口はすっきりとした。店内が見やすくなった。ちょっと覗いてみるという客も明らかに増えた。
今まではお客さんは入口レジですべて解決できるのが、奥のレジまで来ないと用が足せなくなった。これは顧客サービスの低下という意見もあった。目的をもった来客の要望にいち早く答えるには、入り口とレジは近いほうがいい。
一方でお店の中で商品を眺めたり見つけたりすること楽しみは難しい。
常連客しか来ないというのは、言い換えれば常連客にだけ都合がいい店にしてしまっているということでもある。
什器をジグザグに配置すると、下のように売場イメージが大きく変わる
文具店はいかに遊べる場所であるかは重要な要素。
遊べるとは、組み合わせの楽しさ。文具はもともと単独で使うものではなく組み合わせて使うもの。
幼い頃同店へ通った子供たちがもう大人になり、その子供たちが利用する店舗へとつながっている。地域で長く続けることとは、時代に合わせてずっとお店を磨き続けないといけない。
同店も息子さんへと事業を継承した。また新たな時代へと進んでいく。
Comments