16-2事例: 樺細工伝承館
樺細工伝承館(秋田県仙北市角館町)は、桜の樹皮を用いた伝統工芸樺細工を扱う店舗。角
館の中心にあり、離接には過去の歴史を説明する資料館がある。この伝承館の売店を協同組合角館町物産協会が運営している。
この店舗の課題へ我々をつないでくれたのが、さなづら福寿(秋田県大仙市角館)の福島さんだった。福島さんはこの伝承館の入口ホールの二階で喫茶を経営しており、かねてより伝承館の売店がもっとよくできないかと思っていた。
もともとはレジを中に配置した長いロの字のカウンターの店舗。古い売店の構造に多い。多くの観光客に土産物を販売するために効率よくつくられたいわば売り手都合の空間。もちろんこのレイアウトと動線ではゆっくりと品定めはできず、改善に着手した。
アフター ガラスケースの高額品を中央に配置し、外側に低価格品を並べた。
この店舗には、入店口が二つある。正面入り口は売店へそのまま入れる。もう一つの入口は、資料館から出口へと向かう途中にある。二つの入口に適合できるように、レジをその間の壁面へ移動し、開放的な窓を活かして、ジグザグな動線へと改善。
この店は陳列什器とガラスショーケース。これらを組み合わせて、スポット照明の位置を変更。感動的な店舗へと生まれ変わった。
地方では歴史や自然といった観光資源が豊富であるにもかかわらず、価値ある資源を経済に替えるが弱く、収益化が進んでいない。観光資源で人を集めても地元経済はほぼ活性化しない。そこに現地が気づけていないことにある。地方が蘇るために地方自らが気づくべきである。
Comments