16-3事例: マンゴーの森
マンゴーの森(鹿児島県指宿市 代表 有村隆雄さん)は鹿児島の観光地長崎鼻で売店を営んでいた有限会社かめやの代表有村さんが運営する製造直売店。有村さんとの出会いは長崎鼻の観光地を何とかしたいと相談を受けたのがきっかけだった。
長崎鼻は指宿からさらに南へ海岸線を進んだ南端。広がる太平洋の外海が雄大な風景である。灯台まで歩く道の途中に龍宮神社があり、開聞岳の景観も素晴らしい。観光地としてのポテンシャルに比べて商業機能の衰えが著しい。かつてはこうした観光地ならではの商品として鼈甲や、すでに販売が規制されているウミガメの剥製といった歴史が並んでいる。
こうした高額な土産物が売れなくなり、観光バスで多くの人が降り立っても高額な土産物を買わなくなった。それでも土産物店では繰り返し団体客を座らせお茶を出し商品を勧める。立ち並ぶ店では観光客に声をかけ、ピンポイントで土産物を勧める。
今の人気観光地とはまったく異なる売り方だ。団体客がいなくなると各店舗は店を閉める。したがってフリーの個人客にはいつも店は閉まっているのだ、もう店は廃業したと思われている。
長崎鼻の絶景 衰退した土産物店通り
有村さんの必死の働きかけによっても、各店舗は重い腰を上げす近代的な観光地へのリノベーションは実現できなかった。そこで有村さんが再度奮起して取り組んだのがマンゴーの栽培だった。何年もかけて試行錯誤を繰り返し、マンゴーを栽培し、直営店であるマンゴーの森をオープンした。
マンゴーの森店内
我々は、マンゴーの森の名称に合わせて、森のコンセプトでリノベーションを行った。
観光地には目的来店性が必要である。わざわざ行くには期待感を高めないといけない。そのすべての要素は空間の重要性にある。
いまマンゴーの森は超人気の観光スポットになっている。
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