13-4事例: 丸梅ごとう米店
丸梅ごとう米店(岐阜県土岐市下石町 代表 後藤健次さん)は、土岐市商店連合会の会長を務めている。岐阜県土岐市は美濃焼の産地であるが、旧土岐郡(駄知町、下石町、肥田町、妻木町など)の山あいの複数の町が合併してできたことから、それぞれの小さな町それぞれの文化がある町である。丸梅ごとう米店は下石町にある。下石町はおよそ6千人の町である。
小さな町では、こうした古くからの専門店が地元で長く商売を続けている。同店は米と酒を主として扱い食品を増やして地域ニーズに対応してきた。
後藤さんはかねてより地域商業の衰退を懸念されていた。古くからの商店は徐々に廃業して、住民も高齢化し、買い物難民となる。それが人口減少に拍車をかける。もう一度率先して店を生まれ変わらせるという決意を受けて、改装に取り組んだ。トップの店舗自らが改革へチャレンジ。衰退する商店街にもっとも必要な勇気ある行動だ。商店街の活性化と声を上げながら自らの店の再生に目をつぶる代表者は多い。
土岐商工会議所(担当 栗田義昭さん)の動きも早かった。後藤さんの改装の決意を後押し、提案から二週間で改装実行に至った。
いま後藤さんは、同じ地域内で諦めかけている事業者さんに、取り組みを促す声をかけてくれている。同じように土岐商工会議所の栗田さんも事業者さんの説得にあたってくれている。地域の活性化に即効的な手はない。一つ一つの店を丁寧に革新していく。この積み重ねでしか地域は蘇らない。
諦めないでコツコツ取り組むことしかない。この地域で生きていきたい次の世代のためにも。
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