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0円店舗再生 第60回~尊敬すべき事業者たち 土産物店では高いものを見せる

更新日:1月11日

16-4事例: 田沢湖共栄パレス


田沢湖共栄パレス(秋田県仙北市田沢湖 代表 鬼川幸助さん)は田沢湖湖畔に位置する土産物店。鬼川さんはコロナ禍で冷え込む観光需要に悩まれていた。観光客の購買金額は年々減少し、レストランの併設、稲庭うどんの実演、秋田犬の見学など観光客への魅力づくりにより客単価向上を目指してきた。

課題は品揃えにもあった。コロナ禍で来客が少ない。そのために毎日営業することが困難となり、土日祝日のみ営業するスタイルでコロナ禍を乗り切ろうとした。

営業日数の減少で品揃えが十分にできず、アイテム数が減っていくため、購買金額の低下につながり、それが売り上げを減少させていくという悪循環となっていた。多くの商品を展開すれば販売できなければ賞味期限切れになる。

 

そのため、少ない品揃えでも魅力的に見える店のあり方、回遊性を高めて買い上げ点数を増やす店への改装を提案した。鬼川さんは快諾され我々と実行に至った。

正面のガラス面を塞いでいた陳列台を店内が見えるように中へ入れて開放感を高めた。外へディスプレイを行い、動線を見直し、殺風景な店内を近代的なレイアウトへと変更した。

 

改装後の店内 回遊性が高まりお客さんの滞在時間が増えた

 



観光地では、安いものを数多く売るような陳列は必要ない。いくら観光にお金を使わなくなったといっても、ここでしか買えないような価値がある商品は買い求める。安いものやどこでも売っているものしか売れないという店の思い込みが、つまらない土産物店にさせている原因である。


お客さんが買うのはものではなく体験である。


残念ながら令和7年1月に同社は自己破産手続きに入った。進化し続けることはかなわなかった。

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