0円店舗再生 第71回~桐谷呉服店:地域や支援者と気持ちが通じ合うとき
- 加藤剛

- 8月11日
- 読了時間: 2分
更新日:9月1日
秋田県横手市増田町は、明治の頃は商業地として発展、座敷蔵の残る歴史的な建造物が多く、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
桐谷呉服店(秋田県横手市増田町)は建物構造上の懸念から、店の内外装は昭和にリノベーションされているが、基本的構造は今も残されている。賑わった当時をしのぶように、このあたりには多くの呉服店が残っている。

地方は発展するか衰退するかのいずれか。現状維持はない。
多くの地方はこの30年間ほとんど変わっていない。
店のいくつかがチェーン店に入れ替わり、空き地にいくつか住宅が建ち、一方で知らないうちに空き家が増え、街に賑わいが少なくなる。
それ以外は変わらないと目には映るが、確実に衰退している。変わらないから。
古いものをそのまま残すことは衰退しかない。古い価値にこそ革新とリノベーションが必要。
桐谷呉服店の店舗改善のダイジェスト(改装当日)
自らの店を整理し直すことは、前向きな気持ちに事業と自身を整理し直すこと
桐谷呉服店は、先駆者的に革新を進めてきたものの、衰退する地域に残っていることで、地域の衰退を当たり前のように受け入れてしまい、リノベーションを求めなくなる。ここに踏み込む勇気が必要だった。

支援者と地域とはこうした停滞や衰退から、事業者を救い出すこと。事業者とその気持ちが通じ合うときにだけ、また衰退する地域で奮闘していく勇気が生まれる。奮い立たせた勇気は衰退には戻らない。
地方での事業者支援とは、地域の衰退から事業者を救うことに尽きる。





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